ニチレイグループは「地球の恵みを活かしたものづくりと、卓越した物流サービスを通じて、豊かな食生活と健康を支えつづけます」というビジョンのもと、新たな顧客価値を創造し、社会課題の解決に貢献することで、社会から必要とされる存在であることを目指しています。
当社は事業を行う過程で直接または間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを認識し、私たちのビジネスに関わる全ての人々の人権を尊重する責任を果たすために、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく「ニチレイグループ人権方針」を制定し、これを指針として人権尊重に取り組んでまいります。
人権の尊重 |
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人権デューデリジェンスの実施 |
事業活動に関わる人権課題 差別、ハラスメント、強制労働と児童労働、結社の自由と団体交渉権、労働安全衛生、労働時間と賃金、サプライチェーンにおける影響、地域社会への影響 |
苦情処理メカニズム |
教育と研修 |
モニタリングと報告 |
事業活動における人権の配慮に取り組むにあたり、当社グループでは、国内外での事業活動を通じて、サプライチェーンも含めて社会と環境にさまざまな影響を与える可能性があることを認識し、社会・環境の面からも、ステークホルダーとの適切な関係を築いていきたいと考えています。2019年4月に人権方針を制定し、2022年4月にはニチレイグループ サステナビリティ基本方針「ニチレイの約束」の制定に基づき、人権方針を改定しました。人権に対する課題については、グループサステナビリティ委員会で議論しています。
2019年~2023年に開催されたコー円卓会議のステークホルダー・エンゲージメント・プログラムに参加し、NGO等からの問題提議、および企業間の意見交換を実施し、食品産業や物流事業に固有の人権問題の特定に取り組むとともに、人権課題への対処について掘り下げた議論も行いました。
その結果は当社の人権の取り組みに活かすと共に、引き続き業界固有の人権課題を特定するため、ステークホルダーエンゲージメントを行っていきます。
年度 | 参加人数 | 参加者所属 |
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2019 | 2名 | ニチレイ グループコミュニケーション部 |
2020 | 2名 | ニチレイ グループコミュニケーション部 |
2021 | 4名 | ニチレイ グループコミュニケーション部、ニチレイフーズ サステナビリティ推進部 |
2022 | 5名 | ニチレイ サステナビリティ推進部、ニチレイフーズ サステナビリティ推進部 |
2023 | 6名 | ニチレイ サステナビリティ推進部、ニチレイフーズ サステナビリティ推進部、ニチレイフレッシュ サステナビリティ推進部 |
ステークホルダー・エンゲージメント・プログラムの報告書はCRT日本委員会のWebサイトからダウンロードできます。
また、国内外のNPO/NGOや人権の専門家が参加する「ビジネスと人権に関する国際会議」(CRT日本委員会主催)にも、2019年から2023年まで毎年参加しています。
ニチレイグループでは、研究開発、調達から、商品・サービスの提供に至るまでの事業活動が、潜在的あるいは実際に人権への影響を及ぼす可能性があることを理解し、「ビジネスと人権に関する国連指導原則」に従って、ニチレイグループの事業活動に関係する人権への負の影響を特定、予防、軽減するためにデューデリジェンスを実施しています。
ニチレイグループでは、国内の食品工場において外国人技能実習生の受入れを行っています。受入れ企業としての責任を果たし、技能実習生が心身ともに健やかに安全で充実した日々を過ごすことができるよう、さまざまな支援を行っています。生活環境の整備、安全教育、工場内の掲示物を含めた言語面でのサポートを行うほか、受入れを行っている監理団体との密な連携・情報交換を行っています。
2022年10~11月にNPO法人経済人コー円卓会議(CRT)日本委員会(事務局長 石田寛氏)の支援のもと、外国人技能実習生・特定技能の実態調査を実施しました※。調査結果からわかった課題に対しては、技能実習生の住居へ貴重品ロッカーを設置し、技能実習生が採用時に母国で支払った費用を会社負担にするなど、適切に改善を進めており、人権デューデリジェンスのPDCAサイクルを実践しています。
技能実習制度および特定技能制度の在り方が見直される中、2023年8月には外部講師(株式会社ワールディング 池邊正一朗氏)を招いて勉強会を開催しました。本社・工場の人事部門やサステナビリティ部門から51名が参加し、受入れ企業としての制度の正しい理解、 外国人労働者とのコミュニケーション改善の工夫、思わぬ人権侵害の実例などについて理解を深めました。
対象者 | ニチレイグループで働く外国人技能実習生、特定技能 |
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調査期間 | 2022年10-11月 |
実施方法 | ①ウェブアンケート
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ニチレイグループでは、人権侵害を含む、法令や定款・社内規程に違反する行為、社会規範上問題のある行為などに関して、従業員からの通報・相談に応じるため、2003年10月より内部通報・相談制度(ニチレイ・ホットライン)を導入し、運用を行っています。今後は、苦情処理メカニズム(グリーバンスメカニズム)として、人権侵害を受けたニチレイグループのビジネスパートナー・サプライヤーの従業員(本人または代理人)が通報ができる仕組みと窓口を設けることが課題と認識し、検討を行っています。
ニチレイフーズを含む食品・飲料業界10社は、加入する「Supplier Ethical Data Exchange(以下、Sedex)」において「食品&飲料業界のバイヤー会員Sedexワーキングチーム」を結成しました。食品&飲料業界内でのSedexの共通活用推進と標準化の働きかけ、およびサプライヤー企業に対するSedex合同説明会の実施(2023年1、2月実施)、商社機能を有する企業への説明会実施(2023年7月実施)など、加入促進の働きかけなどを行っていきます。
ニチレイグループでは、グローバルな事業を行う上で、従業員はもちろんのこと、グループの事業に関わるステークホルダーの人権を尊重することが不可欠であり、また、この考え方はあらゆる人や企業に対して適用されるべきものであると認識しています。
以上の認識に立ち、当社グループは、「労働における基本的原則および権利に関するILO宣言」※1および「国連ビジネスと人権に関する指導原則」※2を含めた国際的な人権基準を参考とし、グループの「行動規範」にて、以下の考え方を明示しています。「ニチレイグループは、人権を尊重し、人種、肌の色、性別、宗教、政治的見解、国籍、社会的地位、出身などにもとづく一切の差別を行いません。ニチレイグループは、あらゆる形態の強制労働、児童労働を排除します。また、職場においては、差別的な言動、暴力行為、セクシャルハラスメント、パワーハラスメントなどを禁止し、賃金(法定の手当てを含みます)および労働時間につき、法定の基準を遵守します。」
従業員への人権に関する周知については、社内イントラネットで人権にかかわる情報の周知に取り組んでいます。
従業員の人権に関する教育については、年1回、世界人権デーに合わせて「ビジネスと人権」に関するe-ラーニングを全従業員に対して実施しています。
eラーニングテーマ | 関連するグローバルイベント | 実施者数 | 受講率 | |
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2022年12月 | ビジネスと人権 | 12月10日 世界人権デー | 5,385人 | 93.9% |
2023年12月 | ビジネスと人権 | 12月10日 世界人権デー | 5,391人 | 94.2% |
ニチレイ労働組合は、活動理念「労使対等を堅持し、相互に意欲をもって活動できる環境を作る」のもと、当社グループが健全な発展をするために、組合員個々を尊重する活動を目指しています。「労使協議制」「第一線現場の組合員の要望集約と改善」「健康経営確立」などに重点を置いて活動しています。
2022年度から、有識者をお招きしてサステナビリティに関する経営層向けの勉強会を開催しています(2022年度計6回、2023年度計3回)。人権に関する開催回では、サプライチェーン上での人権課題やDE&Iなどに関する意識を高めました。
●人権に関するサステナビリティ勉強会
開催日 | テーマ | 講師 | 参加者数 (うち、取締役人数) |
ニチレイ取締役出席率 |
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2022年6月28日 | 持続可能な調達と人権課題 | LRQAサステナビリティ(株) 代表取締役 冨田 秀実氏 |
139名(8名) | 80% |
2023年1月24日 | サプライチェーンで取り組む「人権」~今、企業に期待される人権デューデリジェンスとは~ | NPO法人経済人コー円卓会議 日本委員会事務局長 石田 寛氏 |
154名(10名) | 100% |
2023年7月4日 | LGBTQから考えるDE&I ー LGBTQ視点が職場と社会を変える ー | 認定NPO法人 虹色ダイバーシティ代表 村木 真紀氏 |
173名(10名) | 100% |