ニチレイグループは、2022年4月1日より、持続可能なサプライチェーンの構築に向け、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」や国連グローバル・コンパクトの10原則等に則り、グループ人権方針および持続可能な調達方針の改定およびサプライヤーの皆様に向けた行動規範・ガイドライン等を制定しました。これらはニチレイグループサステナビリティ基本方針「ニチレイの約束」に基づき、当社が特定した重要事項(マテリアリティ)「持続可能な食の調達と循環型社会の実現」の根幹をなす方針となっています。今後、「ニチレイグループサプライヤー行動規範・ガイドライン」をサプライヤー様に適用していただくための取り組みを進めていきます。サプライチェーン上のリスク要因を把握し、事業への影響度に応じて、サプライヤー様と協働で改善に取り組んでいきます。
グループ内はもとより、サプライヤーの皆様との価値観の共有と密接な協力関係の構築を通じて、持続可能なサプライチェーンの実現を目指します。
方針名 | 改正・制定のポイント |
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ニチレイグループ人権方針 | 自社およびサプライチェーン全体に関わる人権の尊重、人権デューデリジェンスの実施、苦情処理メカニズムの導入 など |
ニチレイグループ持続可能な調達方針 | サプライチェーン全体に関わる人権の尊重・環境負荷への低減・動物福祉や生物多様性への配慮 など |
ニチレイグループサプライヤー行動規範 | 「ニチレイグループ持続可能な調達方針」に基づき、ニチレイグループのサプライヤーであるお取引先様に遵守を要請する事項を明文化 |
ニチレイグループサプライヤーガイドライン | 上記「ニチレイグループサプライヤー行動規範」各事項について解説 |
持続可能な調達は、素材の調達から製造・販売、流通加工、物流までサプライチェーン全体の機能を担うニチレイグループにとって重要な経営課題と認識しています。当社マテリアリティの一つにも設定しており、取締役会の諮問機関であるグループサステナビリティ委員会にて進捗報告・議論を行っています。
また各マテリアリティはそれぞれに目標(KPI)を定めて取組みを進めています。グループサステナビリティ委員会で全体施策のモニタリングを行いつつ、各部門・各事業会社、各委員会の実行計画に具体策を落とし込んでいます。
グループ目標と各事業会社の目標を連動させ、各社の事業計画達成がニチレイグループの社会的価値向上と経済価値向上に直結しています。
さらに、持続可能なサプライチェーンの構築に係る諸課題について事業会社間でより詳細な情報共有や議論を行うため、2024年度より「グループサプライチェーン担当者会議」を設置し、ニチレイグループ全体で実効性の高い活動を推進しています。
●サステナビリティ推進体制
ニチレイグループでは、事業基盤であるサプライチェーンの持続可能性の取り組みを進めています。「責任ある企業行動のためのOECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス」を参考に、当社の事業活動が労働者、人権、環境、贈賄、消費者およびコーポレートガバナンスに負の影響をもたらす可能性があることを認識したうえで、当社事業やサプライチェーンおよびその他のビジネス上の関係に関連する負の影響を回避し、それらに対処するための活動を進めています。
ニチレイグループは、NDPE方針(No Deforestation, No Peat, No Exploitation = 森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ)を支持し、サプライヤーであるお取引先様とともに責任あるパーム油の調達に取り組むため、2023年4月に「持続可能なパーム油調達ガイドライン」を制定するとともに、グループマテリアリティの目標として新たにKPIを設定しました。
ニチレイグループは、2018年8月、持続可能なパーム油の生産と利用を促進する非営利組織、RSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil:持続可能なパーム油のための円卓会議)に加盟し製品に使用するパーム油を持続可能なパーム油にする取り組みを進めています。パーム油を使用しているニチレイフーズの食品工場(国内外の連結対象子会社)では、使用しているパーム油の全量(100%)に該当するRSPO認証油クレジット(ブック&クレーム方式)を2018年から継続して購入しています。
2030年に向け、持続可能なパーム油(RSPO認証油)の調達比率100%を目指し取り組みを進めて
いきます。
会員プロフィールページ(英文)
水産物はニチレイグループの事業活動を支える重要な資源です。近年、気候変動、乱獲や混獲による生態系への影響、人工的な養殖場のための森林破壊等の生息域破壊、また漁業関係者への人権侵害などの問題が指摘されています。
2023年4月、ニチレイグループではサプライチェーンにおける持続可能な水産物の課題解決に取り組み、サプライヤーやステークホルダーとともに持続可能な社会の実現を目指すため、「ニチレイグループ持続可能な水産物調達ガイドライン」を制定するとともに、グループマテリアリティの目標として新たにKPIを設定しました。
ニチレイフレッシュでは、2006年からインドネシアのカリマンタン島で持続可能なブラックタイガーえびの粗放養殖とマングローブの植樹による自然環境保護活動「生命 の森プロジェクト※1」に取り組んでいます。その活動をインドネシアのスマトラ島のバナメイえびの養殖池へも広め、2018年にASC認証※2を取得しました。2020年からは、約28万本のマングローブ植樹を実施しています。また、MSC認証※3の水産物の取り扱いも順次増やしており、2024年6月時点では26魚類の水産物を取り扱っています。今後も、持続可能な水産物の取り扱いを増やしていきます。
認証 | 認証取得水産物 |
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MSC 【認証番号】 MSC-C-52165 |
キングサーモン、シロザケ、ギンザケ、カラフトマス、ベニザケ、マダラ、アサバガレイ、コガネガレイ、シロガレイ、スケソウダラ、アブラガレイ2種、ホタテガイ、カラフトシシャモ、ズワイガニ、ニシン、ホッキガイ、タラバガニ、アメリカケンサキイカ、マガキ、アサリ、アラスカメヌケ、シマホッケ、カラスガレイ、ビンナガマグロ、カツオ |
ASC 【認証番号】 ASC-C-01632 |
ブラックタイガー、バナメイエビ、カキ、アトランティックサーモン、ギンザケ、サーモントラウト |
(2024年6月時点)
持続可能な食を次世代につなげる大切さについて従業員に知ってもらうため、従業員にとって身近な食の場である社員食堂での活動を始めました。ニチレイフレッシュがCoC認証※を取得し、調達販売しているASC認証のえびやMSC認証のあさりを食堂のメニューに採用しました。
2023年度は本社(東京都)をはじめとした関東圏の拠点から取り組み、2024年度はさらに実施拠点を増やし、ニチレイグループ社員食堂でMSC・ASC認証品を使用したメニューを提供していく予定です。
使用商材 | 開催日 | 実施拠点 | メニュー名 | メニュー画像 | |
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バナメイえび |
第1回 | 2023年7月3日 | ニチレイ東銀座ビル(本社:東京) | ASCガーリックシュリンプカレー | |
第2回 | 2023年9月11日 | ASC海老の彩華炒め | |||
バナメイえび |
第3回 | 2023年9月27日 | ニチレイ天満橋ビル(大阪) | シュリンプカレー エビアボカドサラダ |
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第5回 | 2023年10月19日 | ニチレイ研修センター「スコレ雪ヶ谷」(東京) | エビと玉子のチリソース | ||
第6回 | 2023年11月2日 | ニチレイグループ 技術開発センター(千葉) | |||
第11回 | 2024年4月9日 | ニチレイ研修センター「スコレ雪ヶ谷」 | 海老とアスパラのクリームパスタ | ||
第14回 | 2024年4月18日 | ニチレイグループ 技術開発センター | 海老かき揚げうどん・そば | ||
第15回 | 2024年5月13日 | ニチレイ天満橋ビル ニチレイフーズ 関西工場 ニチレイ・ロジスティクス関西 |
海老ちゃんぽん | ||
第16回 | 2024年5月21日 | キューレイ(福岡) | エビドリア | ||
第17回 | 2024年5月24日 2024年5月30日 |
キョクレイ 大黒物流センター キョクレイ 本牧物流センター |
海老と野菜のバラ天丼 | ||
第20回 | 2024年6月19日 2024年6月20日 2024年6月21日 |
ニチレイ・ロジスティクス東北 仙台物流センター ロジスティクス・ネットワーク 仙台センター ニチレイフーズ 白石工場 |
エビとほうれん草のトマトクリームパスタ | ||
第21回 | 2024年6月25日 2024年6月26日 2024年6月28日 |
中冷(山口) ニチレイフーズ 森工場 ニチレイフーズ 船橋第二工場 |
エビと空豆のエビマヨ | ||
バナメイえび |
第4回 | 2023年10月13日 | ニチレイバイオサイエンス グローバルイノベーションセンター (埼玉) |
まるごと海老フライ&ハンバーグ | |
第9回 | 2024年1月10日~12日 | ニチレイフーズ 船橋工場 ニチレイフーズ 船橋第三工場 ロジスティクス・ネットワーク 船橋物流センター |
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第12回 | 2024年4月11日 | グローバルイノベーションセンター | まるごと海老天丼 | ||
第13回 | 2024年4月17日~19日 | ニチレイフーズ 船橋工場 ニチレイフーズ 船橋第三工場 ロジスティクス・ネットワーク 船橋物流センター |
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第18回 | 2024年5月28日 | ニチレイ東銀座ビル | ASCソフトシュリンプバーガー | ||
第19回 | 2024年6月12日 | ニチレイフーズ 船橋工場 ニチレイフーズ 船橋第三工場 ロジスティクス・ネットワーク 船橋物流センター グローバルイノベーションセンター |
まるごと焼き海老の塩ラーメン | ||
あさり |
第7回 | 2023年12月1日 (創立記念日) |
1)ニチレイ東銀座ビル 2)グローバルイノベーションセンター 3)ニチレイ天満橋ビル 4)ニチレイグループ 技術開発センター |
MSCあさり薬膳カレー1 あさりのスープカレー2,6 あさりたっぷり根菜カレー3,4,5 |
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第8回 | 2023年12月8日 | 5)ニチレイ研修センター「スコレ雪ヶ谷」 | |||
第10回 | 2024年3月25日~27日 | 6)ニチレイフーズ 船橋工場 ニチレイフーズ 船橋第三工場 ロジスティクス・ネットワーク 船橋物流センター |
インドネシアのカリマンタン島にある北カリマンタン州は、農園や植林地、えびの養殖池の開発などで深刻な自然破壊に直面しています。沿岸地域はえびの養殖池が急増して、森林やマングローブが次々に伐採され、環境の急激な変化により、貴重な野生生物が絶滅の危機にさらされています。
ニチレイフレッシュは、マングローブの減少を危惧して、調達先のPT. Mustika Minanusa Aurora(MMA)社および北カリマンタン州タラカン市と共同で2006年に「生命
の森プロジェクト」を開始しました。配合飼料や電気を使わない粗放養殖えびを販売し、収益の一部をMMA社の「マングローブ基金」に寄付して植樹活動や地域の生態系保全に役立てられています。また、2019年6月までWWFインドネシア、WWFジャパンと協力し、「WWF北カリマンタン海と森の保全プロジェクト」の一環として養殖改善活動および森林保全活動を推進し、プロジェクトを完了しています。10年間で302ヘクタールに達する面積に植樹を実施し、マングローブ林が回復することで、小鳥やカニ、小魚などの動物が増え、テングザルも外部からの連れてきたものが自然繁殖しました。
詳細は以下をご参照ください。
ニチレイフレッシュでは、2022年6月より株式会社福岡魚市場および天草漁業協同組合と協同し、熊本県天草市で漁獲される天然芝海老の販売収益の一部を資金とするアマモ場再生活動「生命
の海プロジェクト」をスタートしました。アマモは魚介類の産卵・保育の場であり海の生態系に重要な役割を果たしています。しかし、アマモは年々減少しており、生物の生存環境が損なわれたり水質悪化の原因となっています。
ニチレイフレッシュはこれまで海外で培ったノウハウや経験を日本で活かしながら、魚介類生態系および海洋環境を保護し、持続可能な水産品調達に積極的に取り組んでいきます。
ニチレイフーズは、エクアドル産冷凍ブロッコリーのパッカーであるProvefrut S.A.(本社:エクアドル、以下「プロベフルーツ」)を通じ、現地NPO法人の実施する地域支援活動に対する継続的な寄付を開始しました。これは、プロベフルーツおよび地域社会への支援の新しい在り方として、「そのまま使える『高原育ち』のブロッコリー」の「売上1袋につき1円」を、プロベフルーツを通じて、現地NPO法人に寄付するものです。この取り組みを通じ、エクアドル産冷凍ブロッコリーを持続的に調達し地域社会に貢献していきます。
ニチレイフレッシュでは、2009年より13年間、岩手県のJA・軽米町や洋野町の農家の皆様と協働で、飼料米プロジェクトを立ち上げ、「
養鶏の排泄物(鶏糞)を農場内にある高速鶏糞処理プラントで有機質肥料化し、その肥料を鶏肉専用の元休耕田だった飼料用米水田に撒いて土壌の栄養分として活用。収穫された飼料米は「純和鶏」の配合飼料として給餌しています。また、高速鶏糞処理プラントでの廃熱エネルギーは、鶏舎を温める熱源として利活用しています。
一般ブロイラー養鶏では、病気の治療のほか、密飼いによる病気リスクの予防や、成長促進効果を期待して、抗生物質や合成抗菌剤などの薬剤が使用されています。
ニチレイフレッシュが2004年より17年間販売している「FAチキン」は、ワクチンは使用しますが、全育成期間を通じ、これらの薬剤を使用していません。鶏本来が持つ免疫力を最大限に引き出せる養鶏方法により、抗生物質や合成抗菌剤など、耐性菌※を生み出す恐れのある薬剤を使用しない養鶏を行っています。
抗生物質や薬剤を使わないで飼育する養鶏技術では、飼育環境への配慮はもちろん、鶏の健康維持や免疫力向上に役立つ乳酸菌などの生菌剤や植物性の生薬(漢方)などを用い、動物本来の免疫力を高め病気への抵抗力をつけるニチレイフレッシュ独自のノウハウで養鶏しています。抗生物質が投与された鶏糞は土壌菌や地下水にも影響を及ぼすと言われており、生態系サイクルの保全にもこのFAチキンの養鶏方法は寄与しています。
●生態系サイクルを脅かす耐性菌
ニチレイフレッシュでは、独自の「FA監査」を実施しています。「FA監査」は大きく分けて生産工程確認と製品検査を行います。担当者が定期的に産地に赴き、飼料工場から飼育農場・処理工場まで「FAチキン」の生産の各工程において独自に設定した基準に沿って管理が行われているかを確認しています。また、製品検査としては、(株)ニチレイ品質保証部食品安全センターで「FAチキン」の専用飼料や鶏肉製品の残留抗生物質検査も行っています。ニチレイフレッシュでは飼料から出荷までの全過程を監査して、品質管理に努めています。
●「FAチキン」における品質管理システム
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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ニチレイフーズ | Sedex活用拡大の取り組み ※次項をご参照ください | ||||
サプライヤーCSRガイドラインの作成開始 | 国内のサプライヤーへCSRガイドラインに基づいたアンケートを実施 | アンケートを回収 |
・ニチレイグループサプライヤー行動規範・ガイドラインを制定 ・サプライヤーESGアンケートを実施 ・「ニチレイグループサプライヤー行動規範・ガイドライン」の適用に、国内最重要サプライヤーの89%から賛同 |
・「ニチレイグループサプライヤー行動規範・ガイドライン」の適用に、国内最重要サプライヤーの99%から賛同 | |
ニチレイフレッシュ | アンケート結果の分析 | 国内・海外のサプライヤーリストを新たに作成 | CSRアンケートを作成 | ||
ニチレイロジグループ | ー | ー | ー | ||
ニチレイバイオサイエンス | ー | ー | ー |
ニチレイグループは2022年4月に「ニチレイグループサプライヤー行動規範・ガイドライン」を制定しました。2022年度は国内のサプライヤーの皆様に対し、サプライヤー行動規範・ガイドラインへのご賛同と、セルフアセスメント質問票へのご回答を依頼する「サプライヤーESGアンケート」を実施しました。
実施したアンケートに対し、89%のサプライヤーから回答があり、そのすべてからご賛同をいただきました。残りの11%のサプライヤーに対しても引き続きご回答を継続しています。アンケートの回答結果から、ESGに関する負の影響が懸念された数社のサプライヤーに対してはコミュニケーションを実施し、問題がなかったことを確認しています。
今後は、アンケートの対象を海外サプライヤーまで拡大するとともに、サプライヤーに当社の持続可能な調達への取り組みやサプライヤー行動規範・ガイドラインへのご理解を深めていただくための説明会を実施するなどし、さらにサプライヤーとのコミュニケーションを深めていきます。
●2022年度に実施したサプライヤーESGアンケート
対象 | ニチレイフーズ、ニチレイフレッシュ、ニチレイロジグループ、ニチレイバイオサイエンスの国内サプライヤー。対象先の選定にあたっては、各社における取引の重要性(取引量等)などを加味し、取引金額で約50%をカバー。 |
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内容 | サプライヤー行動規範・ガイドラインへの賛同を求めるとともに、セルフアセスメント質問票への回答を依頼 |
設問の設計 | サプライヤー行動規範・ガイドラインに沿い、各サプライヤーの取り組み状況を確認するための設問で、「法令遵守・倫理的行動」「人権・労働」「安全衛生」「環境」「マネジメント」「サステナビリティに関わるコーポレートガバナンス」からなる。作成にあたっては、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンが作成した「CSR調達セルフ・アセスメント・ツール・セット(第1版)」を参照。 |
回答率 | 89%(賛同率も同じ) |
ニチレイフーズでは2019年7月にサプライチェーンにおける倫理的で責任あるビジネス慣行の促進を目的に、社会(人権含む)・環境面などの情報を管理・共有するためのプラットフォームを提供する非営利団体「Sedex」に加入しました。2020年10月に「ニチレイフーズサプライヤー CSRガイドライン」を策定し、5ヵ国語で開示しました。2020年度から監査準備を進め、2021年度は国内の自営投資15工場において「SMETA監査※」を受審しました。自営投資工場のほか、2つの主要OEM先においても各1回ずつ監査を受審しました。継続して、サステナビリティプラットフォームSedexの活用拡大の取り組みを進めています。
2019年7月 | ニチレイフーズがSedex(Supplier Ethical Data Exchange)へAB会員(サプライヤー・バイヤー会員)として加入 |
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2021年5月~2022年2月 | 国内自営投資の全15工場がSMETA監査(4ピラー:労働基準・安全衛生・環境・企業倫理)を受審 |
2022年12月 | ニチレイフーズを含む食品・飲料業界10社が、「食品&飲料業界のバイヤー会員Sedexワーキングチーム」を結成し、食品&飲料業界内での共通活用推進と標準化の働きかけの取り組みを開始(詳細はhttps://www.nichireifoods.co.jp/news/2022/info_id14398/) 2023年1,2月 :サプライヤー企業に対するSedex合同オンライン説明会の実施 2023年7月 :商社機能を有する企業へのオンライン説明会実施 |
2023年2,3月 | ニチレイフーズ単独でのサプライヤーへのSedex活用促進オンライン説明会を4回開催 |
2023年10月~2024年2月 | 調達部門によるサプライヤーへの調達方針説明会を全国4会場で開催。サプライヤーと共同での脱炭素や人権への取り組み、およびSedexの活用推進について説明 |
ニチレイグループの事業活動において上位の調達量を占める農・畜・水産物について、サプライヤーとの人権デューデリジェンスの取り組みを2022年度より開始しています。実施にあたっては、お取引の重要性および国別・産業別の人権リスクを考慮のうえ、優先順位を決めています。人権インパクトアセスメントや人権監査を実施する際は、人権・労働および安全衛生の課題に取り組み、お互いに長期的で良好な関係を築くという目的をサプライヤーと確認しています。
●2022-2024年度の人権デューデリジェンス実施計画
2022年度実績 | 2023年度実績 | 2024年度計画 | |
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対象 | 畜産サプライヤー(国内チキン) | 畜産サプライヤー(国内) 水産サプライヤー(海外) |
畜産サプライヤー(国内) 水産サプライヤー(国内) 農産サプライヤー(海外) |
●ニチレイグループの留意すべき人権侵害リスク
Verisk Maplecroft社の人権リスクデータベースも活用し、当社グループが留意すべき人権侵害リスクを把握し、対応の優先順位付けを行っています。
主な人権侵害リスク | 主な生産国・原料調達国 | ||
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日本 | 生産工場・原材料全般 |
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― |
物流業界 |
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― | |
海外 | 農産物 |
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中国、アメリカ、タイ、ブラジル、エクアドル、ベトナム |
畜産物 | タイ、メキシコ、ブラジル、スペイン、中国、オーストラリア、アメリカ、カナダ | ||
水産物 | インドネシア、アメリカ、中国、ロシア、モーリタニア、モロッコ、ベトナム、タイ、カナダ、ノルウェー |
2023年9、10月にニチレイフレッシュのえびサプライヤー3社(インドネシア2社、ベトナム1社)に対し、当社従業員が同行のうえ、第三者による人権インパクトアセスメントを実施しました。強制労働や児童労働などの深刻な人権侵害は確認されませんでしたが、潜在的な社会的・経済的なリスクが見つかりました。これらの人権・労働・安全衛生の課題に対応するために、2024年4月にインドネシアのサプライヤー2社とフォローアップダイアログを実施しました。ダイアログにおいて、一部の課題はすでに解決済みであることの確認や、すぐに解決が難しい課題に対しては、そのリスクを双方で理解したうえで、どのような対応策がとれるのかについて、ディスカッションを行いました。
●インドネシアでの人権インパクトアセスメントの様子
サプライヤーとの建設的な関係の構築、双方の企業価値の向上を図るためには、サプライヤーの皆さまとの情報共有や啓発も重要と認識しています。そのためニチレイフーズ、ニチレイフレッシュでは環境・社会面の方針など当社の考え方の共有や環境等への意識啓発を目的に、2022年度より順次主要サプライヤー向け「ニチレイフーズ 調達方針説明会」「ニチレイフレッシュ サプライヤー様説明会」を開催しております。
ニチレイブラジル農産有限会社では、契約農家に対してアセロラの苗と栽培技術を提供し、その成果物である果実は同社が全量買い取るというスキームで、農家の指導と地域の雇用、収入に貢献しています。
有識者をお招きしてサステナビリティに関する経営層向けの勉強会を開催しています。
●勉強会の実施風景(オンライン開催)
●2022年度
開催日 | テーマ | 講師 | 参加者数 (うち、取締役人数) |
ニチレイ取締役 出席率 |
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第1回 | 2022年4月26日 | 企業が直面するサステナビリティ課題 | (株)ニューラル代表取締役CEO 夫馬賢治様 | 124名 (6名) | 60% |
第2回 | 2022年5月24日 | 食料と輸送の未来 | (株)ニューラル代表取締役CEO 夫馬賢治様 | 127名 (7名) | 70% |
第3回 | 2022年6月28日 | 持続可能な調達と人権課題 | LRQAサステナビリティ(株) 代表取締役 冨田秀実様 | 139名 (8名) | 80% |
第4回 | 2022年8月23日 | SDGsの重要性と企業が取り組む意義 | SDGパートナーズ(有) 代表取締役CEO 田瀬和夫様 | 131名 (9名) | 90% |
第5回 | 2022年9月27日 | サーキュラーエコノミーへの ビジネス変革 | アミタ(株) 田部井進一様 | 140名 (10名) | 100% |
第6回 | 2023年1月24日 | サプライチェーンで取り組む『人権』 ~今、企業に期待される人権デューデリジェンスとは~ |
NPO法人経済人コー円卓会議日本委員会 事務局長 石田寛様 |
154名 (10名) | 100% |
●2023年度
開催日 | テーマ | 講師 | 参加者数 (うち、取締役人数) |
ニチレイ取締役 出席率 |
|
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第1回 | 2023年4月25日 | 地球温暖化の真実 | 東京大学未来ビジョン研究センター教授 国立環境研究所地球環境システム領域上級主席研究員 江守正多 様 |
165名 (9名) | 90% |
第2回 | 2023年5月30日 | 生物多様性と資源枯渇 | (株)レスポンスアビリティ 代表取締役 足立直樹 様 | 175名 (10名) | 100% |
第3回 | 2023年7月4日 | LGBTQから考えるDE&I ー LGBTQ視点が職場と社会を変える ー | 認定NPO法人 虹色ダイバーシティ代表 村木真紀 様 | 173名 (10名) | 100% |
●2023年度
持続可能な調達の実現に向けたサプライチェーンマネジメントの一環として、調達担当者向けサステナブル調達研修を実施しました。
冒頭にニチレイグループ持続可能な調達方針をはじめとした調達関連方針に関する講義を行いました。
実務担当者の知見を深め普段の業務で活かせるよう、知識者をお招きし各分野に特化した講義や、ワークショップを実施いたしました。
開催日 | 分野 | 共通テーマ | 講師 | 分野テーマ | 講師 | 参加者 | |
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第1回 | 2023年11月28日 | 水産 | なぜ持続可能な調達が求められるのか | LRQAサステナビリティ(株) 代表取締役 冨田秀実 様 | 水産における持続可能な調達 | (株)シーフードレガシー CEO 花岡和佳男 様 | 34名 |
第2回 | 2023年11月29日 | 畜産 | アニマルウェルフェアの国内外の状況とこれから | 東京農工大学農学部 教授 新村毅 様 | 34名 | ||
第3回 | 2024年4月18日 | 農産 | 農産物におけるサステナブル調達とは | WWFジャパン 南明紀子 様 羽賀秋彦 様 並木崇 様 羽尾芽生 様 |
26名 |
●2022年度
実施期間 | テーマ | 受講率 | |
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1 | 2022年5月9日~5月27日 | サーキュラーエコノミー | 97.1% |
2 | 2022年11月14日~12月12日 | SDGs全般 | 93.8% |
3 | 2022年12月1日~12月28日 | ビジネスと人権 | 93.9% |
●2023年度
実施期間 | テーマ | 受講率 | |
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1 | 2023年6月7日~6月27日 | 環境(CO₂排出量削減) | 93.8% |
2 | 2023年7月5日~7月26日 | 環境(地球温暖化) | 93.1% |
3 | 2023年9月4日~9月25日 | SDGs全般 | 93.2% |
4 | 2023年12月4日~12月22日 | ビジネスと人権 | 94.2% |