事業を通じた社会課題の解決 ニチレイフレッシュ
えびの養殖には広大な敷地が必要です。多くのアジア諸国では、津波や強風などの影響を軽減する緩衝場としてのマングローブ林を大量伐採し、人工的なえび養殖場(集約養殖)として開墾してきました。
その結果、鳥類や魚類や小動物などの生態系への影響だけではなく、人工飼料に配合された抗生物質や薬剤などが汚染水として土壌や地域の河川や海域に流れ出し、海洋汚染の原因の一つになっていることが課題となっています。
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インドネシアで古くから実施されていた粗放養殖えびの収益金の一部をマングローブ基金とし、集約養殖放棄池となった荒池や地域の公園などでの植樹を計画的に実施しています。現在ではジャワ島、スマトラ島でも地元サプライヤーと協働で活動を拡大しています。
粗放養殖はインドネシアの伝統的なえび養殖法。自然の地形を利用し土手やマングローブで囲った10ha超の池に少量の稚えびを放流。飼料は与えず、海のプランクトンを食べて育つため、土壌への負荷が低く、えび特有の病気が蔓延しにくく、えびが大きく育つといった特徴があり、また養殖期間中、電気を使いません。
2006年カリマンタン島タラカン市から始まったマングローブの植樹活動は、ジャワ島やスマトラ島へも活動を広げています。丸15年植樹を行い、2021年で累計約38万本のマングローブを植樹しました。タラカン市やその周辺では、植樹活動の広がりとともに土壌や生態系が回復してきています。