ニチレイグループではグループ環境方針を定め、基本方針を、「卓越した食品と物流のネットワークを備える企業集団として、“食”と“健康”の源である地球の恵みを次世代に引継ぎ、『おいしさ』と『新鮮』を継続してお届けするため、サプライチェーン全体で環境負荷の低減に取り組むとともに、ステークホルダーとのコミュニケーションを通じて持続可能な社会の実現に貢献していくこと」としています。グループ環境方針では、「気候変動への取り組み」「持続可能な資源循環の推進」「自然との共生」の3つを重点課題としています。「気候変動への取り組み」においては、食品・物流企業として気候変動の影響を大きく受けることを認識しており、 以下のように低炭素政策に向けた取り組みを進めています。
多岐にわたる分野の事業会社で構成される当社グループは、年8回程度行われる「グループ環境担当者会議」を設置し、各社の事業特性に応じた環境対策の立案、実効性の高い環境活動を推進しています。各社の取り組みは、年に3回以上開催される「グループサステナビリティ委員会」において報告され、取り組みの内容・進捗に応じてグループ全体の環境保全に関する政策・方針の策定や、環境に関する社会動向の共有をしています。サステナビリティ委員会の委員長は代表取締役社長が担い、事業会社の社長や、関係役員らが委員として参加しています。
●サステナビリティ推進体制
開催実績 | 4回 |
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主な議題 |
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2022~2024年度グループ 環境目標 | |
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全拠点における廃棄物リサイクル率 | 99% |
CO₂排出量削減 (2015年度比、国内Scope1,2) |
△33% |
自然冷媒化率 生産設備(国内) |
74% |
自然冷媒化率 低温物流関係(海外を含む) |
61% |
CO₂排出量の削減は総排出量削減目標とし、対象範囲は国内の事業所および所有車両で使用する全てのエネルギーとしています。廃棄物リサイクル率については、99%以上の維持に継続して取り組み、国内の食品工場では動植物性残さの削減にも取り組んでいます。水資源の保全については、“食”に関わる企業グループとして地球の恵みを次世代に引き継ぐために効率的な水利用のための行動目標を策定し、取り組みを進めています。また、「海外事業所における環境に関するデータの収集」についてもグループ全体で取り組んでいます。
ニチレイグループ(国内)の99%以上の環境負荷を占める範囲を集計している。
環境データ 下記各社の食品工場、物流センターなどを集計対象としている。
●ニチレイグループCO₂排出量の推移
ニチレイグループ重要事項(マテリアリティ)の1つとして目標(KPI)を設定し、食品残渣や事業活動として排出される廃棄物量の削減とリサイクル化に向けた活動を積極的に取り組んでいます。
●事業所外排出量/廃棄物リサイクル率
食品安全や環境保全の各種法令を遵守し、水使用量と排水の水質について定期的にモニタリングを行い、把握・管理しています。国内事業所については、積極的な節水活動を行っています。また、各地域の拠点で必要な水資源の入手の可能性やリスクについてどのように影響評価を行っていくかについて、今後検討していきます。
当社グループでは、ニチレイ経営監査部が行う監査において、組織運営、業務処理などの事項とともに、環境法令の遵守や環境保全上の重要事項に対するグループ経営監査を実施しています。また、ISO14001認証取得事業所では、これに加えて内部環境監査および社外審査登録機関による年1回の外部審査を実施しています 。
教育名 | 実施内容 |
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サステナビリティ教育 | サステナビリティ経営の加速に向け、経営層から全従業員まで、階層別の勉強会や教育研修プログラムを2022年度より実施。 |
環境eラーニング | 全従業員を対象として2009年度より実施。 毎年、地球温暖化防止や資源循環、生物多様性などの身近な問題を中心に実施。 |
新入社員研修 | 当社の環境方針や目標、事業と環境のつながりについて研修を実施。 |
裏磐梯の社有地における体験型研修 | 社有地のある福島県裏磐梯地域で、従業員を対象とした体験型環境研修を2013年度~2016年度に実施。特定外来種ウチダザリガニの駆除や、社有地周辺の森林での散策などを実施。 |
長野県富士見町における絶滅危惧種アツモリソウの保護支援の体験型研修 | 当社は、絶滅危惧種であるホテイアツモリを再生させるための活動―長野県富士見町の「アツモリソウ再生会議」に、設立当初から参画。同町で、従業員を対象としたアツモリソウ保護活動を含む体験型環境研修を実施。アツモリソウの保護活動を実際に行うことで、一度バランスを崩してしまった自然を回復させることの難しさを体験。 |
支援林における体験型研修 | 豊かな自然をはぐくむ森を守り育てる「お弁当にGood!森にGood!」プログラムの活動の一環として、支援林で、従業員を対象とした自然体験研修を実施。 |
2023年度は、環境に重大な影響を与える環境事故、法令違反、環境関連の罰金及び違約金はありませんでした。