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安全な商品とサービスの提供

方針・基本的な考え方

ニチレイグループではグループ企業経営理念に基づき、ニチレイグループが提供する食品に関する商品・サービスの品質および安全性を確保することで、生活者の健康被害を防止し、ニチレイグループ全体の品質管理・品質保証水準および顧客満足の維持・向上を図ることを目的として、品質保証に関する基本方針を定めています。
また、これらの取り組みが確実に実施されているかについては、品質マネジメントシステム(QMS)や食品安全マネジメントシステム(FSMS)に基づく組織内の内部監査や事業会社が行う工場監査、および自主モニタリング検査の結果(主に当社食品安全センターで実施)を活用し、不備があれば改善を促すことによりPDCAサイクルを回転させ、さらなるレベルアップを目指して取り組んでいます。

  • 品質保証の考え方と改善サイクル

    品質保証の考え方と改善サイクル

  • 品質保証に関する基本方針
    (1)食品関連法令などにより要求される事項を遵守すること。
    (2)業界団体の示す規格・基準を遵守すること。
    (3)食品の安全・安心に対する生活者・顧客の要求事項を確実に把握し、グループ全体の品質管理・品質保証力を継続的に高めること。
    (4)生活者の健康被害を防止するために、食品安全(Food Safety)、危機管理(Food Crisis Management)のみならず食品防御(Food Defense)、食品偽装(Food Fraud)予防の考え方を取り入れること。
株式会社ニチレイ 経営企画部, 株式会社ニチレイ 品質保証部, 株式会社ニチレイ 技術戦略企画部, 株式会社ニチレイ 経営監査部, 株式会社ニチレイ 事業経営支援部, 株式会社ニチレイ 法務部, 株式会社ニチレイ 人事総務部, 株式会社ニチレイ 財務IR部, 株式会社ニチレイ 経理部, 株式会社ニチレイ サスティナビリティ推進部, 株式会社ニチレイフーズ, 株式会社ニチレイフレッシュ, 株式会社ニチレイロジグループ本社, 株式会社ニチレイバイオサイエンス, 株式会社日立フーズ&ロジスティクスシステムズ, 株式会社ニチレイビジネスパートナーズ

マネジメント体制

ニチレイグループの品質保証体制について

ニチレイグループでは、提供する商品・サービスを一定の品質に保つために適切に維持・管理する仕組みを定めています。品質管理・品質保証に関する規程や基準を制定し、品質マネジメント基準に基づく内部監査とモニタリング検査を行い、グループの品質マネジメントの仕組みが有効に機能しているかを確認しています。
各事業会社の品質保証部門は、自社の商品・サービスに対する品質監査を行い、取り組み状況を「品質保証委員会」および「グループ品質保証委員会」で報告・共有し、品質保証体制のさらなる改善・強化を図っています。

ニチレイグループの品質保証体制図

ニチレイグループの品質保証体制図

商品に関する品質保証

商品に関する品質保証

当社グループではさまざまな特性を持った商品・サービスを扱っています。各事業会社にて、取り扱っている商品・サービスの特性に応じた基準やルールを制定しています。
基準やルールの制定に当たっては、食品衛生上の危害要因と言われている生物学的危害、化学的危害、物理的危害の予防活動に重点を置いたHACCPシステムの考え方とマネジメントシステムを融合させることを基本としています。これが当社グループの考える食品安全の取り組みです。この考え方は基本的にはすべての食品に適用され、ルールに則って取り組みが進められています。
食品安全の取り組みで予防することのできない『人間による意図的な異物混入』から食品を守ることを目的とした食品防御の取り組みと、健康被害をもたらす事件・事故が発生した際に迅速に的確な情報を発信するための危機管理の取り組みを付加することで、食品の安全性確保の精度を向上させ、リスクコミュニケーションの充実を図っています。

株式会社ニチレイ 経営企画部, 株式会社ニチレイ 品質保証部, 株式会社ニチレイ 技術戦略企画部, 株式会社ニチレイ 経営監査部, 株式会社ニチレイ 事業経営支援部, 株式会社ニチレイ 法務部, 株式会社ニチレイ 人事総務部, 株式会社ニチレイ 財務IR部, 株式会社ニチレイ 経理部, 株式会社ニチレイ サスティナビリティ推進部, 株式会社ニチレイフーズ, 株式会社ニチレイフレッシュ, 株式会社ニチレイロジグループ本社, 株式会社ニチレイバイオサイエンス, 株式会社日立フーズ&ロジスティクスシステムズ, 株式会社ニチレイビジネスパートナーズ

取り組みの状況

グループ会社の工場監査の実施

工場監査は、各事業会社が取り扱い商品の特性や国際規格の認証取得の有無、取り扱い数量などをもとにリスクの大小を合理的・客観的に評価して年間計画を作成し、その計画に従い実施しており、指摘事項などは工場の改善活動や全社的なルールの見直しにも反映しています。監査結果は、翌年の監査計画策定時に、監査の方針や実施事業所の決定という形でも反映され、定期監査の中でもPDCAを回転させています。

  • 2020年度以降は新型コロナウイルス感染症の世界的流行による行動制限のため、実地での工場監査の実施件数は少なくなっていますが、リモート監査の拡充、駐在員を活用したハイブリッド監査の導入、リスクの程度による実地監査とリモート監査の使い分けを有効に行うことにより、安全確保に努めています。
定期監査(2019~2023年度)
品質保証監査 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
国内 海外 国内 海外 国内 海外 国内 海外 国内 海外
グループ年間監査件数 52 20 40 10 46 16 63 23 47 31
グループ年間実施率(対計画) 87% 80% 58% 28% 66% 48% 89% 72% 100% 89%
国際規格の積極的導入による品質管理体制の構築

ニチレイグループでは、さまざまな特性を持った商品・サービスを取り扱っています。グループ各社ではその特性に合った社内ルールの運用だけでなく、品質に関する基本方針に沿った管理が行われていることを検証・評価するために、国際規格である食品安全マネジメントシステム(FSMS)の導入を積極的に進め、品質保証体制の強化を図るとともに、安全な商品とサービスの提供に取り組んでいます。

認証取得状況(2019~2023年度)
認証規格 事業会社 認証取得率※4
2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
ISO9001(品質マネジメントシステム) ニチレイフーズ 20.0% (3/15)※5 20.0% (3/15)※5 20.0% (3/15) 0% (0/15) 0% (0/15)
ニチレイフレッシュ 62.5% (5/8) 62.5% (5/8) 62.5% (5/8) 62.5% (5/8) 33.3% (2/6)
ニチレイロジグループ 70.4% (81/115) 70.9% (83/117) 73.5% (86/117) 71.4% (85/119) 73.1% (87/119)
FSSC22000※1、ISO22000※2、SQF※3 (食品安全マネジメントシステム) ニチレイフーズ 93.3% (14/15) 93.3% (14/15) 100% (15/15) 100% (15/15) 100% (15/15)
ニチレイフレッシュ 100% (7/7) 100% (7/7) 100% (7/7) 100% (7/7) 100% (6/6)
ニチレイロジグループ 1.7% (2/115) 1.7% (2/117) 1.7% (2/117) 1.7% (2/119) 1.7% (2/119)
ISO14001(環境マネジメントシステム) ニチレイフーズ 73.3% (11/15) 73.3% (11/15) 66.7% (10/15) 46.7% (7/15) 46.7% (7/15)
ISO13485(医療機器・体外診断用医薬品) ニチレイバイオサイエンス 100% (2/2) 100% (2/2) 100% (2/2) 100% (2/2) 100% (2/2)
  • ※1FSSC22000:ISO22000を基盤とする食品安全に関する国際的なマネジメントシステム
  • ※2ISO22000:HACCPの食品衛生管理手法をもとに食品安全のリスクを低減する食品安全マネジメントシステムに関する国際規格
  • ※3 SQF(Safe Quality Food)認証:購入する製品が、HACCPなどの食品安全と品質における厳格な国際基準に合格していることを保証するもの。ヨーロッパ以外の国で、世界食品安全イニシアチブ(GFSI)によって認められているプログラム
  • ※4認証取得率:取得事業所数/国内の連結対象子会社の事業所数(食品工場、物流センターなど)
  • ※5FSSC22000へ移行
フードディフェンスの取り組み

ニチレイグループでは、食品への「意図的混入」などを防止するためには、事業所と従業員の信頼関係を高め、事故が起こりにくい職場をつくることが最も重要だと考えています。またソフト面およびハード面での防御策や、事故が発生した際の検証手段を備えるなど、商品形態などに応じた食品防御(フードディフェンス)の仕組みを構築しています。訪問者用・作業委託者対応用・セルフチェック用などについての社内運用ルールを設け、定期的に工場監査を実施して安全を確認するとともに、従業員満足度調査や面談に基づいた職場環境改善にも取り組んでいます。さらに、自社食品工場内においては、国内海外とも、全工場へカメラや顔認証システムを導入、商品特性に応じて食品を守る仕組みを講じ、問題が発生した際に追跡調査を実施できる体制を構築しています。問題が発生した時には、食品危機管理の仕組みと連動し、迅速に適正な情報を発信し対応していきます。

このような考えのもと、事業会社ごとに商品形態などに応じた食品防御の仕組みを構築し、工場内のセルフチェックや工場監査により安全を確認するとともに、従業員の面談などに基づいた職場環境改善にも積極的に取り組んでいます。

ニチレイフーズのフードディフェンス4原則

ニチレイフーズのフードディフェンス4原則

サービスに関する品質保証

ニチレイロジグループの新設の物流センターでは、高度なセキュリティ機能と免震構造など、最新鋭の設備を備えています。また、品質面においてはグループのノウハウ・技術を集結した温度管理に加え、トレーサビリティー機能、在庫管理機能など高度な物流品質を実現しています。低温物流網においては、自社保有を含め、毎日約4,000台のトラックによる輸配送が全国への物流網を支えており、運送会社との連携が欠かせません。そのため、運送会社とは協力会組織を設け、ドライバーコンテストや研修・表彰制度など安全・品質向上に向けた取り組みを行うことで密接な協力関係を築いています。
ニチレイロジグループのロジスティクス・ネットワークと、その協力会社で構成するロジネット協力会は、トラックドライバーの安全技能向上のためのドライバーコンテストを実施しています。全国6支部の予選を勝ち抜いたドライバーが、日頃培った安全点検技能と学科知識を競います。第8回を迎えた2023年度全国大会では、女性ドライバーが初めて個人部門で優勝を果たしました。これからも安全な車両運行に向けて努力を重ねていきます。

  • ロジネット協力会ドライバーコンテスト全国大会(年1回:8年目)
  • 全国フォークリフト運転競技大会(年1回:3年目)
  • 点検技能審査
  • 競技の様子
原材料の管理

ニチレイフーズは原材料のもとになる素材を3段階まで遡って調査し、配合割合、品質・微生物規格、製造工程、含有アレルゲンなどを管理しています。原材料供給業者には、それらの内容を一覧化した「原料品質規格書」を原材料ごとに提出してもらいます。「原料品質規格書」に記載されている内容はデータベースに保管し、食品表示の作成やお客様からの問い合せ対応に活用しています。新規の原材料を使用する際には、事前に行う生産工場の工場診断や工場指導、「原料品質規格書」の内容確認、事前サンプルチェックなどを総合判断して取り引きの可否を決めています。取り引き開始後も工場診断や工場監査を行い、工場改善を継続的に実施させることで原材料の品質をさらに向上させるようにしています。また原材料受入時に品質をチェックすることにより、工場診断・工場監査の効果検証を実施しています。

「原料品質規格書」の精査フロー

「原料品質規格書」の精査フロー

トレーサビリティの構築

ニチレイグループでは、常に安全・安心で高品質な食品を提供するため、原材料から製品まで徹底した品質管理と検査を実施するとともに、それぞれの商品特性に合ったトレーサビリティシステムを構築しています。例えば、冷凍野菜では、以下のような管理を行うことにより、万が一、問題が発生した場合でも、製品のコード記号から、工場が保管している管理記録類の追跡調査を行い、原因の究明、問題の拡散防止・未然防止を図ることができます。また、生活者の不安を払拭するための正確かつ迅速な情報提供も行っています。
トレーサビリティの構築にはサプライチェーンにおいて原材料供給側・製造メーカー側・流通側までの連携・協働が必要です。ニチレイグループでは、品質情報について共通認識を深めるため、定期的に勉強会を開いています。また、情報をデジタル化してつなげるために、一元管理できる自社独自のシステム活用を進めています。

原料運搬時 農場管理者(フィールドマン)が原料の数量、汚染防止の処置状況、トラック発車時刻などを確認し、送り状を作成。
工場搬入時 原料受入担当者が送り状と照合したうえで、トラック番号ごとに原料を標識で管理。
加工時 ラインの各工程でトレースコード標識を設置。工場に到着した順に原料を加工(産地が違う原料は区分)。

冷凍野菜の品質管理(事例)

ニチレイフーズでは、冷凍野菜の品質保証と安全性向上に向けて以下の取り組みを行っています。これらの実践により、残留農薬検出による輸入通関時の違反件数ゼロを14年間継続しています。

【栽培管理】

ニチレイフーズが中国やタイなどで生産する冷凍野菜は、畑の環境(土壌、水質など)、農薬の管理状況などのニチレイフーズ基準をクリアした農場を選定しており、これらの農場には定期的に冷凍野菜生産工場の農場指導員が巡回して栽培状況を調査し、適正に管理されていることを確認しています。ニチレイフーズはこの仕組みが確実に実行されていることを現地におもむいて確認しています。

指定農場の管理
自営農場や契約農場での栽培に限定し、ニチレイフーズ担当者が生産工場を訪問し、栽培記録の適切性や成育状況もチェックしています。

栽培管理(農薬の管理体制)
ニチレイフーズのガイドラインに基づいた農薬の選定と使用方法を定め、フィールドマンが農薬の使用状況を確認することで日本のポジティブリストに適合するように管理を行っています。

【生産管理】

ニチレイフーズが冷凍野菜の生産を委託している契約工場には品質管理のノウハウを指導しており、適正に栽培管理された野菜を入荷・選別・洗浄・加工・凍結・包装・検品・出荷と徹底した品質管理のもと製品化し、生産記録を残しています。残留農薬については、下処理時に現地の検査機関で問題がないことを確認し、出荷時にもニチレイが技術指導を実施している生産工場検査部門で問題がないことを検証しています。さらに、日本国内においてもニチレイ食品安全センターで残留農薬、衛生状態などを計画的に検査し、安全性を検証すると共に、現地での仕組みが適正に機能しているかを確認しています。

残留農薬の検査体制
残留農薬の検査を実施、また、海外工場の検査担当者の技術向上も図っています。

履歴管理
製品にロットコードを印字し、栽培履歴を遡れるトレーサビリティの構築により、問題発生時の原因究明と対策立案を支援しています。

お客様とのコミュニケーションにおける取り組み

お客様に確かな品質の商品をお届けすることはもちろん、お客様に適切な情報を提供することが第一の努めです。ニチレイフーズでは、パッケージにおける過剰なアピールを廃し、適切な情報提供を行っています。
また、お客様相談センターの活動を通じて、お客様の声を品質向上のため現場にフィードバックしています。

Nマークを付与するパッケージ表示

パッケージ表示には、多くの情報を集約して記載しています。一括表示と言われる裏面や側面に枠で囲って記載している情報は各種法令で定められている事項であり、ミスがあってはいけません。ミスを防ぐために一括表示はダブルチェック体制で確認しています。配合レシピにもとづいて、使用しているすべての原材料に関する規格書を原材料供給業者から提出してもらい、内容を精査し、原材料名・原料原産地を表示しています。さらに賞味期限とロット番号を表示することで、その商品がいつ、どんな原材料を使って生産したものなのかを調べることができるようにしています。ニチレイフーズでは、お客様とのコミュニケーションが大切だと考えており、お問い合わせ用フリーダイヤル番号を見やすい場所に表示するように工夫しています。

Nマークを付与するパッケージ表示

安全情報や商品選択情報を漏れなく記載するために、表示の作成から商品が出荷されるまでに、さまざまなチェックを実施しています。遵法性はもちろんのこと、お客様に誤解を与える表現がないように細心の注意を払っています。ブランド審査の中でも、この2点を意識した表示チェックを実施しており、合格した商品だけが生産可能となります。

Nマークを付与する商品パッケージを印刷する前の確認

栄養成分表示表示

作成
・まず、取得した原材料に関する規格書とレシピにもとづいて配合明細表、配合割合表を作成します。
・次に、配合明細表、配合割合表を元に、チェックリストに沿ってパッケージに記載する内容を作成していきます。
・このチェックリストの中には、法律や食品業界のガイドラインで定められている内容はもちろんのこと、自主的に定めている内容(商品特性・調理方法)も含まれています。
・また、栄養成分を表示する場合(家庭用商品)には、実際に分析した値を記載しています。

矢印

アレルギー物質

確認
・配合割合表をもとに、表示内容が正確に記載されているかどうかを細かく確認しています。
・また、記載された表示内容が、法律や条例、社内基準に合致しているか、徹底した確認を実施しています。。
・特に健康危害に直結するアレルギ―の表示については、抜け漏れや誤記入のないように十分な注意を払っています。
・家庭用商品については、日頃からお客様の要望を受けているお客様相談センターでもパッケージを確認し、表示内容の改善に役立てています。

矢印

表示確認

表示確認

審査
・Nマークを付した商品パッケージについては、表示内容のチェックを実施しています。アレルギー表示など健康危害に直結する内容を含め、法律に規定されている表示を重点的にチェックしています。
・また、お客様視点で表示内容を全体的に確認し、誤解を生むような表現や分かりづらい部分がないか確認しています。特にセールストークなど商品購買に影響する重要な表示については、誇大表示や虚偽表示にならないか、十分注意するようにしています。

矢印

食品工場で、パッケージに商品が充填された後、出荷前の確認

印字チェック

印字チェック

工場
・まず、工場に納入されたパッケージフィルムや段ボールが、事前に確認した表示内容と一致しているかどうかを確認します。
・次に、工場で印字した賞味期限やロット番号、トレースバックコードについて、正確な内容となっているか、かすれや滲みなどの印字不良がないかなどをチェックしています。
・出荷前の最終チェックとなりますので、工場内でも2重3重のチェックを実施しています。

食物アレルギー

現在日本では、食物アレルギーを引き起こす食品は28種類設定されており、その内の7種類(えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生)は発症事例数の多さや発症時の重篤度から食品表示法により表示するように義務化がなされています。
ニチレイグループでは、使用する原材料を調査し、製造工程中での意図しない混入の可能性も調査したうえで、食品表示法にしたがい食物アレルギー物質の表示をしています。特にニチレイフーズが扱っている家庭用調理冷凍食品では含有する食物アレルギー物質を一覧で確認できるような工夫をしています。

正確な商品情報を伝えるために

商品情報を正確に伝えるためには原材料に関する情報が正確でなければなりません。当社グループでは原材料情報を得るために原材料に関する規格書を原材料供給業者に提出してもらっています。受け取った規格書は内容について、何度もやり取りを重ねて精査し、商品パッケージの作成材料として活用します。加工度の高い原材料では精査に数ヵ月要することもありますが、お客様が求める情報を正確に得られるまでやり取りを重ねています。また、食品表示に関する法令変更には順次対応しています。

製品やサービスに関する報告

2023年度は、製品およびサービスに関する法規違反が2件発生しました。

健康・栄養への取り組み

食に関わる事業を行うニチレイグループは、よりよい栄養へのアクセスは人の健康において非常に重要であると考えています。ニチレイフーズでは健康をサポートするウェルネス製品の開発・販売を行っています。また、ニチレイバイオサイエンスでは、免疫染色に関連する学術・技術情報を一般に公開し、医療従事者向けの情報サイトを通じて提供することで、事業を通じた健康な社会づくりに貢献しています。

業界団体等との協働

ニチレイグループは、業界団体での活動にも積極的に参加し、提言・提案・働きかけを通じて社会的問題の改善・解決に貢献しています。
ニチレイおよびニチレイフーズは一般社団法人日本冷凍食品協会の正会員であり、ニチレイロジグループ本社およびニチレイロジグループの主要子会社は一般社団法人日本冷蔵倉庫協会の会員、ニチレイが一般財団法人食品産業センターの会員になっています。その他、ニチレイは下記の団体等の活動にも参加しています。

ニチレイフーズ お客様相談センターの取り組み

品質向上へ向けての取り組み

ニチレイフーズお客様相談センターでは、お客様からいただくご意見やご指摘に迅速・適切に対応することで、お客様満足と企業価値の向上を目指しています。また、正確な商品情報の提供や安全で信頼感のあるブランド認知を目指しています。

CSアンケート調査

お客様相談センターでは、お客様対応の品質向上を目指し、お客様満足度(CS)アンケート調査を実施しています。
商品についてご指摘をいただいたお客様へ、報告書とともにアンケート葉書を同封し、返信していただく形をとっています。
アンケートには「電話応対時の印象(受付応対)」・「調査報告書の内容(報告書)」・「受付から報告までのスピード(対応速度)」・「今後のご購入意欲(再購入)」という4項目の5段階評価と、ご意見を自由に書き込めるフリーコメント欄を設けています。集計結果は応対品質の向上に活用しており、今後もCSアンケート調査を継続することで、お客様相談センターの業務改善を推進します。

2023年 お客様の声の内訳

グラフ

お客様満足度の評価

グラフ

製品リコールの状況について

過去5年の製品リコールの状況です。

年度 リコール対象件数
2019年

ありませんでした。

2020年

ありませんでした。

2021年

ありませんでした。

2022年

3件

2023年

2件

品質向上に向けた社員教育

ニチレイグループでは、各事業会社の品質保証担当者に対して、力量の向上を目的とした研修を実施しています。また、持株会社においても、品質保証担当者を中心に毎年、食品の品質保証に関する意識・力量の向上を目的としたトピック研修を実施しています。

  研修 内容 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
人数 時間 人数 時間 人数 時間 人数 時間 人数 時間
ニチレイフーズ 技能職1~3年次研修 円滑なコミュニケーション、問題解決手法、生産ラインの衛生状態の管理 92名 1,008時間 97名 727時間 107名 1,058時間 110名 825時間 98名 735時間
リーダー候補研修 若手の育成や業務遂行に関するマネジメントの実演 41名 1,320時間 45名 1,041時間 42名 1,029時間 46名 1,188時間 50名 1,225時間
FSSC22000認証取得・維持に向けた研修 FSSC22000の規格事項の解釈、内部監査員の養成、HACCP関連文書の作成方法 264名 84時間 20名 140時間 91名 547時間 62名 497時間 131名 712時間
ニチレイフレッシュ 1~2年次研修 品質保証の基礎知識、工場チェック、表示、お申し出対応 他 18名 44時間 18名 44時間 19名 46時間 15名 32時間 10名 27時間
中堅社員研修 工場監査・指導のポイント、こだわり素材、金検・X線の仕組み、洗浄殺菌の基礎、表示作成 等 7名 26時間 2名 12時間 18名 48時間 14名 50時間 17名 46時間
工場品質管理者研修 改善活動、防虫防鼠、法令・規程、プレゼン - - - - 30名 180時間 31名 146時間 21名 252時間
法令改正の説明会 食品表示基準、食品アレルギー追加 等 30名 30時間 300名 300時間 - - - - - -
株式会社ニチレイ 経営企画部, 株式会社ニチレイ 品質保証部, 株式会社ニチレイ 技術戦略企画部, 株式会社ニチレイ 経営監査部, 株式会社ニチレイ 事業経営支援部, 株式会社ニチレイ 法務部, 株式会社ニチレイ 人事総務部, 株式会社ニチレイ 財務IR部, 株式会社ニチレイ 経理部, 株式会社ニチレイ サスティナビリティ推進部, 株式会社ニチレイフーズ, 株式会社ニチレイフレッシュ, 株式会社ニチレイロジグループ本社, 株式会社ニチレイバイオサイエンス, 株式会社日立フーズ&ロジスティクスシステムズ, 株式会社ニチレイビジネスパートナーズ