事業を通じた社会課題の解決 ニチレイフレッシュ
茎部分は麻布の原料になる「亜麻」の種子を指します。
種子から抽出された「亜麻仁油」は、健康効果の高さから、近年注目が集まっています。

牛をはじめとした反芻動物は、餌を分解・消化する段階で、CO₂の28倍もの温室効果があるメタンガスを発生させるため、地球温暖化の原因の一つとされています。一方で牛肉は、植物に含まれる鉄分よりも腸からの吸収率が約4倍高い「ヘム鉄」や、脂肪燃焼を助けてくれる「カルニチン」を含み、重要な栄養源となると同時に、ステーキやすき焼きなどハレの日を彩る食文化を築いています。亜麻仁由来の飼料を与えて育てた「亜麻仁の恵み牛」は、2009年からニチレイフレッシュを中心に産官学連携での研究を通じて誕生した牛肉です。


●環境負荷低減
牛は、胃の中に溜まった水素を排出する過程でげっぷとしてメタンガスを排出します。ニチレイフレッシュは、亜麻仁由来の脂肪酸カルシウムに、メタンガスの発生抑制効果が期待されることに着目。液状の亜麻仁油を牛が摂取しやすいよう粉末状に加工し、飼料として与え、胃の中の水素を飽和脂肪酸に変化させ、メタンガスの発生を抑制できるようになりました。
●牛の健康とおいしさの両立
経産牛(出産を経験した雌牛)は、妊娠と出産を繰り返し、徐々に肉が硬くなることから、最終的に「廃用牛」としてミンチ肉などに加工されています。さらに、長期にわたり大量のミルクを出し続けることで肝臓に負担がかかり健康状態が悪い事例も確認され、食欲が落ちがちになります。
「経産牛に最後までおいしいごはんを食べさせてあげたい」という農家の想いも背景に、ニチレイフレッシュでは研究を進め、亜麻仁由来の成分が牛に効率的にエネルギーを供給できることを突き止めました。
さらには、亜麻仁由来の飼料を食べた牛の肉は、一般の牛と比較して、味がより濃く、おいしく感じられる「遊離アミノ酸」の数値が高くなる傾向があることもわかりました。
「亜麻仁の恵み牛」は、環境負荷低減を出発点に、牛の健康に配慮しそのおいしさも両立させる食品へ進化しました。今後は、穀物肥育が主流のアメリカなどを中心に、海外の農場でも亜麻仁による肥育方法を広められる可能性を模索していきます。



●医師100名のうち98%が「勧めたい」商品
「亜麻仁の恵み」シリーズ(鶏・豚・牛)は、医師が商品やサービスを客観的に評価する「AskDoctors評価サービス」でも、医師100名のうち98%から「勧めたい」と評価されています。