事業を通じた社会課題の解決 ニチレイロジグループ
物流センターにおいてスムーズな荷下ろしや積み込みができないためトラックドライバーが長時間待機・拘束されていることが社会的な課題となっています。主な原因として、特に繁忙期などには、物流センターの限られたトラックバースに対して、多くの入出庫車両が集中し、物流センターの作業処理能力が追いつかなくなる時間帯が発生すること、また多くの荷主の運送車両が出入りする物流センターではそれぞれの車両が何時に荷下ろし(荷積み)に来るか、物流センター側ですべてを把握することが困難なため、事前の庫内作業との調整が難しいという事情もありました。
ニチレイロジグループでは2017年10月よりトラック待機問題の緩和・解消を図るため、「トラックバース事前予約システ ム」を運用開始。物流センターごとに設定された時間帯別の接車可能枠に対して、トラック側(荷主や運送会社)が入庫希望時間を予約できる仕組みです。これまでのような順番確保のための待機が不要になります。
「トラックバース事前予約システム」では、トラック側から積荷明細(運送依頼書や送り状など)を物流センター側へ事前に送付することで、これまでトラック到着後に行っていた運送会社やオーダーの照合を前もって実施できるようになりました。そのため、到着からトラックバースへの誘導をスムーズに行うことが可能になりました。2020年度は全国30拠点に導入しています。
本システム安定稼働済みのある物流センターでは、完全予約制導入前は約7割の車両に2時間以上の待機が発生していましたが、導入後は97%の車両の待機時間を1時間未満に短縮することができました。あわせて、深夜・ 早朝時間帯の待機車両や、物流センター周辺における駐車車両の削減、そしてトラックバース接車時間の確認連絡が減少したことにより受付事務の負荷軽減にも効果が出ています。