事業を通じた社会課題の解決 ニチレイロジグループ
自動車運転に代表される「トラックドライバーの業務」は、長距離輸送に加え、物流拠点での荷積み・荷降ろしなどの付帯作業も実質的に請け負う商慣行により、長時間労働が常態化していました。「トラックドライバー2024年問題」とは、このような労働環境の適正化を目的に、働き方改革関連法に基づき、2024年4月1日以降、「自動車運転の業務」の時間外労働時間の上限が年間960時間に制限されることで、荷主業界・物流業界が対応を迫られる諸課題の総称です。ニチレイロジグルー プは次世代輸配送システム「SULS」を通じて、この社会課題解決に向けた取り組みを進めています。今回、「SULS」の事業活動により創出されるトラックドライバーや荷主に対する社会価値のインパクトを可視化(金額換算)しました。
●トラックドライバーの年間労働時間の推移

「SULS」(サルス)の名称は、「S&U Logistics System」の頭文字からとっており、「S」には「3つのS」、Speedy(よりスピーディに)、Sustainable(持続可能な)、Solution(課題を解決する)、そして「U」には「3つのU」、Utility(より効率よく)、Usability(より使いやすく)、User Experience(高い体験価値)、という意味を込めています。ニチレイロジグループの強みを掛け合わせることで「3つのS」を生み出し、社会や顧客に「3つのU」をご提供していきたいと考えています。

ニチレイロジグループの拠点間輸配送において、「SULS」の仕組みをまずは東名阪から開始。今後は全国へ順次拡大予定。低温物流における輸配送をより高品質で持続可能な形に進化させ、これからもお客様のサプライチェーンを支え続けます。


2022年4月の厚木ゲートウェイ稼働で、西向き貨物の一元化による積載効率向上を実現しました。スイッチセンターおよびゲートウェイを活用した「SULS」の効果により、関東~関西間を日帰り運行でつなぐことが可能となりました。

荷待ち・荷積み・荷降ろしといった、ドライバー稼働時間を劇的に短縮し、従来よりも効率よく運べるようになりました。

「SULS」の社会的インパクトを評価するにあたり、事業活動である「SULS」運行を起点とし、「SULS」運行によって生じる社会面または環境面のインパクトを整理・定義しました。そのうえで、社会課題に直結するトラックドライバー・荷主・自然資本のステークホルダーへの各インパクトを選定し、算出ロジックを用いてインパクトの金額換算を行いました。

「SULS」運行によってプラスの社会的インパクトを創出していることを定量的・定性的に確認しました。

現在「SULS」は関東から東北までの新路線が開通し、九州から東北までの幹線路線の整備が完了しました。今後は幅広い顧客ニーズに柔軟に対応するため、「SULS」と船便を組み合わせたサービスの提供も計画しています。また、切り離し可能トレーラー数を今中期経営計画で2倍(累計トレーラー数 約100本)に増台し、運行エリアの拡張や取り扱い物量の拡大に活用することによって、輸配送ネットワークの拡充を進めていきます。今回の社会的インパクト評価では、「SULS」の主要路線である東名阪ルートを対象として実施しました。この評価結果より、「トラックドライバーの2024年問題」への対策として、ニチレイロジグループが2022年に導入した「SULS」を通じて、輸送能力不足による経済損失を抑制し、また、トラックドライバーの長時間労働を是正することによりウェルビーイングの増加に寄与するといった、意図した社会価値が創出できていることを確認しました。
今後、「SULS」の路線・運行数を拡大することにより、創出される社会的インパクトも相乗的に大きくなると推測されます。また、気候変動への対策として環境負荷の低減につながる環境価値のさらなる創出にも力を入れていきます。
「SULS」は、国内の冷凍食品の消費需要に対応する打ち手の一つと位置づけています。「SULS」事業を経済的価値と社会的価値の両面から捉え、次世代に向けた事業基盤の構築を強化していきます。

