Nichirei Group Materiality ニチレイグループの重要事項(マテリアリティ)

事業を通じた社会課題の解決 ニチレイフーズ

地域社会の発展に貢献し、クリーンラベル需要を捉えて成長する~アセロラ事業編~

社会課題

貧困問題
教育問題
地域環境に配慮した農業
地域住民の栄養・健康
クリーンラベル原材料の供給

2021年に世界市場で新たに発売されたクリーンラベル※1訴求商品の数は、生活者の食の安全・安心意識の高まりを背景に、2017年比116%と増加しました。今後もこのトレンドは継続が見込まれ、クリーンラベル原料市場の安定的な成長が予測されます。このようなトレンドを受け、天然ビタミンCを多く含むアセロラパウダーを、食品の品質維持などに使用するニーズが拡大しています。

  • ※1クリーンラベルとは「わかりやすい表示やシンプルな原材料でつくる」という欧米を中心に確立された食の新しい潮流のこと。代表的な考え方として、無添加、ナチュラル、オーガニック、NON-GMOなどがある。

世界市場におけるクリーンラベルの新商品発売数増加割合(単位:%)

世界市場におけるクリーンラベルの新商品発売数増加割合

また、主要産地であるブラジルでは貧困問題や教育問題も見受けられます。ニチレイフーズのアセロラ原料ビジネスは、地域の人たちの雇用創出にも寄与しています。

株式会社ニチレイ 経営企画部, 株式会社ニチレイ 品質保証部, 株式会社ニチレイ 技術戦略企画部, 株式会社ニチレイ 経営監査部, 株式会社ニチレイ 事業経営支援部, 株式会社ニチレイ 法務部, 株式会社ニチレイ 人事総務部, 株式会社ニチレイ 財務IR部, 株式会社ニチレイ 経理部, 株式会社ニチレイ サスティナビリティ推進部, 株式会社ニチレイフーズ, 株式会社ニチレイフレッシュ, 株式会社ニチレイロジグループ本社, 株式会社ニチレイバイオサイエンス, 株式会社日立フーズ&ロジスティクスシステムズ, 株式会社ニチレイビジネスパートナーズ

取り組み

アセロラ事業のパイオニア

1987年にアセロラドリンクを発売するなど、いち早くアセロラを日本に紹介したニチレイ。1990年にはアセロラ原料ビジネスを本格スタートさせ、1991年ブラジルに子会社の Nichirei do Brasil Agricola Ltda. (以下、ニアグロ)を設立しました。農園や果汁加工施設の運営に直接携わり、欧米にもアセロラ果汁製品の販売を展開しました。

契約農家との信頼関係構築

ニアグロでは契約農家に苗木を無料で配布し、社員が直接栽培指導を行うことにより、トレーサビリティが担保された高品質な果実の安定的栽培・収穫が可能になっています。全量買い取りすることで、契約農家の安定収入につながり、栽培スキルの向上も図られています。この取り組みによって、ニチレイフーズは世界中のお客様に高品質な商品を安定的に供給しています。

サステナビリティの取り組み

ニアグロでは、環境に配慮したアセロラ事業を営むとともに、雇用の創出や地域への貢献を通じ、地域社会の発展に貢献しています。

契約農家との信頼関係の構築

1. 契約農家との信頼関係の構築
  • 苗木の無償提供、栽培指導による就農支援
  • 契約栽培での買付による安定収入
  • 定期的な講習会の開催による継続的な技術支援

地域への貢献

2. 地域への貢献
  • 貧困家庭向け児童施設への支援
    (アセロラジュースの提供、学校備品の修理など)
  • 学生のインターンシップなどによる雇用の創出
  • 従業員、契約農家に対する歯科検診の提供

環境への配慮

3. 環境への配慮
  • 水使用量削減(効率のよい灌漑の技術指導)
  • 環境に配慮した工場排水(微生物利用による水処理)
  • 果汁製造時の残渣の有効活用
    (家畜の飼料、「アセロラ真鯛」、アセロラ種子エキス)
  • 工場屋根への太陽光パネルの設置
外部機関によるサステナビリティ評価
従業員への労働人権研修の様子
従業員への労働人権研修の様子
外部機関によるサステナビリティ評価

ニアグロは、2023年のエコバディス社によるサステナビリティ調査※2において、評価対象企業全体の上位1%水準相当である最高位の「プラチナ」評価を初めて獲得しました。
ニアグロは、同社サステナビリティ調査の4つの観点「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な資材調達」についての各種取り組みを継続してきました。2023年の評価では、「労働と人権」に対する継続的な取り組みが特に評価されました。

エコバディス社 2016年~2020年 2021年・2022年 2023年
サステナビリティ調査の評価 「シルバー」評価 「ゴールド」評価 「プラチナ」評価
  • ※2エコバディス社は世界175カ国、200業種、100,000以上の団体・企業(2023年6月時点)を評価する、サステナビリティ・サプライチェーン評価の世界的機関
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提供価値

果汁用途だけでなく、天然ビタミンCの多様な価値を提供

クリーンラベル原料としてのアセロラ

アセロラはブラジルやベトナムなどが主な生産地で、南国の強い日差しに負けないよう、レモン果汁の約34倍という大量の天然ビタミンCを生成します。ただし、アセロラは果実が赤く熟すにつれ天然ビタミンCが減少する特性があるため、より多量に天然ビタミンCを含む「早摘み果実」のうちに収穫してアセロラパウダーへ加工します。現状、天然ビタミンCを豊富に含む食材で、かつ、産業レベルで生産可能な食材はアセロラ以外にはなく、欧州や北米を中心にサプリメントや、製パンや畜肉加工品など、「クリーンラベル原料」として幅広く活用されています。
 今後もクリーンラベル原料市場の拡大に伴い、アセロラパウダー需要の高まりが期待されます。

クリーンラベル原料としてのアセロラ

アセロラパウダーの生産ラインを新設

 クリーンラベル原料として注目の高まるアセロラパウダーの需要に応えるため、ニアグロでは生産ラインを新設し、2023年6月にアセロラパウダーの生産を開始しました。ニアグロでは、契約農家から買い取りするアセロラ原料のみを取り扱っているため、パウダー原料全量のフルトレースを通じトレーサビリティを担保することが可能です。従来の「アセロラ果汁」に加えて「アセロラパウダー」を新たな事業の柱へと育成していきます。

  • ニアグロの新工場ニアグロの新工場
  • アセロラパウダーアセロラパウダー
アセロラパウダー
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