G G

リスクマネジメント

基本的な考え方

当社グループは、事業活動を行ううえでのさまざまなリスクを、全体的視点から合理的かつ最適な方法で管理し、当社グループの企業価値を最大化するため、代表取締役社長を委員長とするグループリスクマネジメント委員会を設置しています。委員会がグループ全体のリスクの識別・評価を行い、構築したリスクマネジメントサイクルに基づき、当社および各事業会社は自主的に対応するとともに、重要な事項については当社の取締役会等への報告のうえ対応を協議します。 

株式会社ニチレイ 経営企画部, 株式会社ニチレイ 品質保証部, 株式会社ニチレイ 技術戦略企画部, 株式会社ニチレイ 経営監査部, 株式会社ニチレイ 事業経営支援部, 株式会社ニチレイ 法務部, 株式会社ニチレイ 人事総務部, 株式会社ニチレイ 財務IR部, 株式会社ニチレイ 経理部, 株式会社ニチレイ サスティナビリティ推進部, 株式会社ニチレイフーズ, 株式会社ニチレイフレッシュ, 株式会社ニチレイロジグループ本社, 株式会社ニチレイバイオサイエンス, 株式会社日立フーズ&ロジスティクスシステムズ, 株式会社ニチレイビジネスパートナーズ

マネジメント体制

さまざまなリスクを未然に防ぐためには、従業員一人ひとりの行動が重要であると考え、環境・社会・ガバナンスの各領域のコンプライアンスや倫理的行動に関わる、12カ条からなる行動規範を制定(2014年に内容を改訂)し、周知徹底を図り、コンプライアンス違反等のリスク低下に努めています。グループリスクマネジメント委員会においてグループ全体のリスク(ESG含む)の識別・評価を行い、グループのリスクマネジメントの仕組みを整備しています。リスクマネジメントのプロセスにおいて特定された重要なリスクについては、持株会社の取締役会へ報告のうえ対応を協議します。

ニチレイグループ 主要なリスクと対応

リスク項目 リスク 対応・取り組み マネジメント体制
1.経済状況および事業環境
  • (国内市場)人口減少に伴う長期的な総需要の縮小/世帯構成・ライフスタイルの変化を背景とした新たな需要
  • (海外市場)経済成長などを背景とした地域ごとに異なるニーズの拡大
  • 持続可能な社会の実現に向けた期待と要請の高まり
  • イノベーションの推進、社会課題を解決する新たな価値の創造
  • 戦略マネジメント
2.食品に関する品質問題
  • 衛生基準、農薬・動物用医薬品残留基準の超過、異物混入、特定家畜伝染病など、食品に関する品質問題の発生
  • 大規模な商品回収の発生
  • 食品安全マネジメントシステムの導入
  • 適切な原材料・商品の品質・生産管理、トレーサビリティシステム、フードディフェンス、要員の育成・適正配置
  • 品質保証委員会
3.多様な人財の確保および育成等
  • 必要な人財の確保と育成
  • 少子高齢化に伴う労働力不足への対応
  • 従業員のエンゲージメント向上
  • 健康経営の推進
  • 人的資本への投資
  • 人財委員会
4.情報セキュリティ
  • 業務上使用するシステムにおける運用上のトラブルやサイバー攻撃などによるシステムの停止・重要情報の漏洩や改ざんなど
  • ファイアウォール、侵入検知システム、認証システムの整備
  • 社内規程類の整備、eラーニングなどによる従業員への教育、情報システム管理体制の整備
  • リスクマネジメント委員会
5.商品や原材料等の価格変動
  • 市況や作柄、漁獲量などによる原材料価格の大幅な変動(水産品・畜産品など)
  • 生産性向上などによるコストダウン
  • 新たな付加価値商品の開発、差別化商品の拡大
  • 需給バランスに沿った調達・販売
  • 戦略マネジメント
6.原油価格等の変動
  • 原油価格などの高騰による電力料・軽油・重油など燃料調達費用の増加、商品・原材料の調達コストの増加
  • 新技術の導入や業務改善などによるコストダウン
  • 戦略マネジメント
7.為替変動の影響
  • 米国ドル、タイバーツ、ユーロなどの変動による商品や原材料の調達価格の変動、および海外子会社業績の為替換算影響
  • 為替予約取引の実施など
  • 戦略マネジメント
8.法規制等の変更
  • 国内外における法規制・ソフトローの変更
  • 各国・地域の法規制等の動向の注視、コンプライアンスの徹底
  • 戦略マネジメント
9.持続可能な食の調達
  • サプライチェーン上の人権や労働環境への配慮、天然水産資源の管理、食品ロスの削減、海洋プラスチック問題の解決などに対する社会的要請の高まり、法規制・ソフトローの変更や新設
  • 不十分な取り組みあるいは取り組みが不十分と見なされた場合の原材料などの安定調達への支障や、社会的信用の毀損
  • 持続可能な調達方針、サプライヤー行動規範・ガイドラインの整備、サプライヤーへのESGアンケートの実施
  • MSC・ASC認証水産物の取り扱い、持続可能なパーム油の調達への取り組み、循環型農畜産の養鶏事業への取り組みなど
  • サステナビリティ委員会
10.気候変動
  • 温室効果ガスの排出削減に向けた社会的要請、炭素税の賦課などの政策や規制強化(当社は冷凍・冷蔵技術を基盤とし、電力を中心にエネルギーを消費)
  • 地球温暖化に伴う気温の上昇および異常気象の発生による原材料調達、生産、物流などのサプライチェーンへの影響
  • フロン冷媒から自然冷媒等への切り替え、太陽光発電設備の設置やグリーン電力証書の活用などの再生可能エネルギーの導入
  • TCFDの提言に準じた継続的な気候変動の影響評価および情報開示
  • サステナビリティ委員会
11.大規模自然災害
  • 巨大地震や局地的な暴風雨などによる、当社グループ拠点および近隣の道路・港・鉄道などへの甚大な被害の発生、あるいは市場の縮小、サプライチェーンの寸断、営業活動の制限など
  • 耐震補強工事、非常用発電機の配備、従業員安否確認システム、防災マニュアル・事業継続計画(BCP)の整備、データセンターの複数拠点化など
  • リスクマネジメント委員会
12.国際情勢について
  • エネルギー・原材料価格の上昇
  • 金融市場への影響
  • サプライチェーンへの影響
  • 情勢を注視し、事業活動に及ぼす影響を最小化
  • 戦略マネジメント
14.技術革新
  • デジタル技術やフードテックの急速な進展など、技術革新による当社グループの持つ技術や提供する商品・サービスの競争力の低下
  • デジタル技術やデータ活用による業務プロセスの変革、イノベーションの推進
  • ISO56002に基づいたイノベーション・マネジメントシステムの運用
  • 戦略マネジメント
14.固定資産の保有
  • 物流センターでの荷主企業の移転や道路交通網の変化等を原因とした立地条件の悪化による減損
  • 生産工場での設備の老朽化・陳腐化や販売不振による減損
  • 出資時の事業計画からの乖離の発生によるのれんや投資有価証券の減損・評価減
  • 投資起案時の検討項目や事後検証ルールの明確化
  • 戦略マネジメント
15.政策保有株式
  • 政策保有株式の時価や発行会社の財政状態の大幅な変動
  • 取締役会へ毎年報告
株式会社ニチレイ 経営企画部, 株式会社ニチレイ 品質保証部, 株式会社ニチレイ 技術戦略企画部, 株式会社ニチレイ 経営監査部, 株式会社ニチレイ 事業経営支援部, 株式会社ニチレイ 法務部, 株式会社ニチレイ 人事総務部, 株式会社ニチレイ 財務IR部, 株式会社ニチレイ 経理部, 株式会社ニチレイ サスティナビリティ推進部, 株式会社ニチレイフーズ, 株式会社ニチレイフレッシュ, 株式会社ニチレイロジグループ本社, 株式会社ニチレイバイオサイエンス, 株式会社日立フーズ&ロジスティクスシステムズ, 株式会社ニチレイビジネスパートナーズ

取り組みの状況

事業継続計画(BCP)の取り組み

従業員の安全確保
災害時等の安否確認

ニチレイグループ全体で、安否確認システムを導入しています。震度5強以上の地震などの災害等が発生した場合に、安否確認や現地情報を入力する旨のメールが従業員に一斉送信され、それらの情報が専用ホームページで閲覧および集計できるなど、情報共有を迅速に行えるシステムです。新たに入社した方なども含め全員へメール通知が届き、速やかな報告ができるよう、年2回ニチレイグループ全体での安否確認訓練を実施しています。
また、持株会社および基幹子会社からの担当者が参加する、対策本部設置訓練を年1回程度行っています。例えば、東京での大地震発生により本社機能が停止した想定をして別拠点での対策本部を設置するなど、BCPマニュアルに沿った行動の遂行が可能か、訓練を通して再確認しています。

海外危機管理

海外における事件・事故、自然災害などのさまざまなリスクに対し、出張者、従業員とその家族などの安全を確保するため、予備知識や対応方法・体制について定めた海外危機対応マニュアルを管理・運用しています。

情報システム

当社グループの主要な基幹系システムは、事業継続を目的としてディザスタリカバリ(以下、DR)を含め冗長化しています。具体的な事例は以下のとおりです。

物流基幹システムのBCP対応の強化

ニチレイロジグループでは、リスクマネジメントの一環として、2018年2月より物流基幹システムのBCP対応の強化を図りました。一極集中となっていたデータセンタの被災を想定して、迅速な事業継続を可能とするDRを構築しました。大規模災害の発生時、メインサイトからDRサイトに切り替える「2拠点化」を実現することにより、速やかに業務復旧を進めることができます。
DR発動からオンライン再開までの時間は約1時間と、さまざまな状況下でお客様の業務や食品物流に影響を与えない最大限の配慮がなされています。取引先の事業継続にも寄与することを目指し、食品物流のライフラインとして先進的な取り組みを実践していきます。

物流基幹システムBCP概念図

事例ニチレイロジグループでの事業継続計画(BCP)の取り組み
ニチレイロジグループでのBCPの取り組み

近年自然災害により各地で甚大な被害が発生しており、ニチレイロジグループでは地震・津波、台風等風水害に関し事業継続計画(BCP)を策定し、従業員等の安全確保、取扱貨物の保全を優先したリスクマネジメントを行っています。毎年台風シーズン前には、「台風等災害発生予測時の対応について」の文書をホームページで発信するとともに、取引先様に臨時休業・営業時間の変更を行う場合の対応についてご案内しています。

対策本部設置フロー(地震・災害対策用) 

物流基幹システムBCP概念図

株式会社ニチレイ 経営企画部, 株式会社ニチレイ 品質保証部, 株式会社ニチレイ 技術戦略企画部, 株式会社ニチレイ 経営監査部, 株式会社ニチレイ 事業経営支援部, 株式会社ニチレイ 法務部, 株式会社ニチレイ 人事総務部, 株式会社ニチレイ 財務IR部, 株式会社ニチレイ 経理部, 株式会社ニチレイ サスティナビリティ推進部, 株式会社ニチレイフーズ, 株式会社ニチレイフレッシュ, 株式会社ニチレイロジグループ本社, 株式会社ニチレイバイオサイエンス, 株式会社日立フーズ&ロジスティクスシステムズ, 株式会社ニチレイビジネスパートナーズ